ＨＳ氏の愛犬「タロコちゃん」を紹介いたします。

あの日（東日本大震災3.11）日課である散歩・・・この日に限って愛犬が落ち着かない！

不思議に思いつつも2時頃散歩に連れて行こうとするが、言うことを聞かない・散歩に行きたがらない。喜び先立ちになりぐいぐい綱を引っ張り、何時もの散歩コースにまっしぐら！変だ・・・・このような日もあるだろうと、あきらめて奥様とティータイム・・・どうも気になる・・・・変な吠え方、落ち着きなく小屋の周りを走り廻っている。

間もなく、あの激しい揺れ・何もかもない・大津波が来る！すぐ避難せよ！防災無線のスピーカーからけたたましくガンガン鳴り響く。ただ事ではないと思い、奥様と愛犬を連れ避難所にまっしぐら・駆け足・駆け足！！何も持ち出せない！戻ってい位牌をと思ったが、奥さんにたしなめられ諦めた。全壊に近い我が家、後ろ髪をひかれる思いで避難・避難・・・・

　程なくあの悪夢”災禍”・・・とにかく凄い地獄絵図である。幸い家族は無事、愛犬も無事、それから長い避難所生活、仮設住宅での生活・・・我慢にも限界があったが、何とか周囲の人たちと力を合わせ生活が始まった。

　周囲の人達から推され仮設団地自治会長になったが、自分の事で精一杯なのにどうしてと思いつつも、仮設団地の生活・環境・健康・行政への働きかけのまとめ役として、東奔西走、夢中で過ごした一年でした。

　現在、縁あって塩釜市に移り住んでおりますが、永年住み慣れた渡波は忘れることはありません。あの遠浅で波静かな渡波海水浴場、毎年多くの海水浴客で賑わい、思い出の凝縮された地域です。７月２１日は海の日、梅雨明けが待ち遠しく真っ先に飛び込んだ海。早くもとの賑わいを取り戻し海水浴場として再開してもらいたい。いつも、思い出が夢枕に出てまいります。

　さて、あの日・あの時刻、愛犬と共に散歩を強行したなら、あの長浜海岸で大津波さらわれまず生きては居られなかったと思う。

　この自然災害を、動物的本能で感じ取り人間に教えているように思えてならない。我が愛犬は、命の恩人（恩犬）人命救助犬である・・・家族で人命救助の感謝状を作成し表彰いたしました。我が愛犬は、家族の一員で以前よりも可愛がっております。